犬 甲状腺機能低下症 原因

犬の甲状腺機能低下症の原因や症状※予防やケアに役立つ基礎知識

犬の甲状腺機能低下症の原因や症状

 

 

このページでは、犬が甲状腺機能低下症になってしまう原因や症状、治療方法についてわかりやすく、なるべく端的にご紹介します。

 

病気が心配な飼い主さんはもちろん、既に発症してしまった愛犬の病気の原因を知ることで、甲状腺機能低下症への食事療法や治療、予防などの参考になれば幸いです。

 

犬の甲状腺機能低下症の主な原因について

 

甲状腺ホルモンとは、代謝をあげる働きを持つホルモンで、作用が強くなりすぎることを「甲状腺亢進症」、その逆に機能が弱り低下することを「甲状腺機能低下症」と言います。

 

犬の甲状腺機能低下症という病気は、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる、あるいはできなくなるために起こる疾患の事で、殆どが機能不全が原因です。

 

甲状腺機能低下症になった犬の9割以上が後天性であり、先天性のものは極めて稀だと言います。主な病気の原因について以下のようなものがあげられます。

 

 

1、突発性甲状腺萎縮

医学的にも解明されていませんが、甲状腺そのものが委縮し、機能が低下してしまう事です。

 

 

2、免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎

本来、自分の体内に入ってきた異物を攻撃する免疫細胞が、なぜか自分の甲状腺を攻撃してしまい、炎症を起こし、甲状腺機能が低下してしまいます。

 

 

3、クッシング症候群など他疾患からの合併症

副腎ホルモン(コチゾール)の分泌異常で起こるクッシング症候群が基礎疾患となり、合併症という形で発症するケースもあります。確率は50%とも言われており、決して低い数字ではないことがわかります。

 

 

犬の甲状腺機能低下症の主な症状について

 

甲状腺の機能低下により、甲状腺ホルモンが弱まると、犬の新陳代謝が滞ってしまいます。代謝が滞ると被毛が簡単に抜けやすくなり、指で引っ張ると簡単に抜け落ちるようになります。

 

擦れやすい脇の下や胸、首輪の下やお腹周りなどは自然に脱毛することが多く、症状としても現れやすいのが特徴です。

 

また、甲状腺機能低下症に気づかず、長期間放置したケースでは、「粘液水腫(ねんえきすいしゅ)」と呼ばれる末期的な状態になってしまうこともあります。体内の水分代謝が低下し、顔の皮膚がブヨブヨになってしまう症状のことで、「悲劇的顔貌」とも言われ、ここまで行くと、救命率は絶望的な数値になります。

 

そうなってしまわないよう、甲状腺機能低下症になった犬の、代表的な症状についてご紹介しますので、もし、愛犬に当てはまるものがあれば、早期の診断をおすすめします。

 

【犬の甲状腺機能低下症の主な症状一覧】

 

  • 活動量が減り元気が無くなる
  • 胴回りに左右対称の脱毛が見られる
  • 体全体がむくんだ状態で浮腫が見られる。
  • 顔がむくむ
  • 毛が抜けた部分の皮膚に色素沈着が見られる
  • 心拍数と血圧低下が現れる
  • 皮膚疾患の膿皮症・脂漏症などが現れる

 

犬の甲状腺機能低下症と疑われる症状が見られる場合は、早急に獣医師の診断を仰ぎ、早く対策をしなければ、合併症はもちろん、命にかかわります。必要に応じて、投薬や食事療法を行う事で、病状をコントロールすることはできますので、しっかり向き合ってあげることが大切です。

 

 

甲状腺機能低下症の治療について

 

 

犬の甲状腺機能低下症という病気は、完治や根治が望めない疾患ではあります。ですが、自分で作れなくなり、分泌させることが出来ない甲状腺ホルモンを、人工的に薬としてようよすることにより、症状を安定させることが出来ます。

 

薬も比較的安価なものですが、注意すべきは投与量です。甲状腺ホルモンの投与量が多すぎると、甲状腺亢進症という疾患を引き起こしますので、定期的の血液検査などを行い、投与量を調整していく必要があります。

 

ただ、投与量をしっかり調整し、適切な投薬治療を行えば、予後は良い状態を保つことが出来るので、悲観的に考えずにしっかり向き合う事が大切です。完治はしない病気で、生涯にわたり投薬が必要ですが、元気に寿命を全うすることも可能です。

 

また、合併症の基礎疾患がある場合は、その基礎疾患を治療することで、ホルモン薬の投与を中止できる場合もあります。

 

さらに、欠かせないのが甲状腺機能低下症の犬の食事療法です。甲状腺機能低下症用の病気管理レシピに配慮した療法食について、「犬の甲状腺機能低下症に適した食事療法用の国産フード」で詳しく紹介しているので確認してみて下さい。

 

食べさせてはいけないものについては「犬の甲状腺機能低下症とキャベツの関係性」をご覧ください。


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